たぶのきから歩いて5分位のところに龍口寺という日蓮宗の古いお寺(その歴史等は後述)があります。そこで毎年9月11日から13日を「龍口法難会」(後述)と定め、お寺の中では厳粛かつ盛大な大法要が営まれます。特に12日夕刻から13日払暁にかけては、どの位遠くの日蓮宗のお寺から来るのか知らないが、「万灯」(提灯とか類似のものを沢山つけた山車のようなもの)が各方面から何十台と集まって来ます。それに随行する参詣者は日蓮宗独特の鳴り物を打ち鳴らして、山門から境内に登っていきます。また門前から江ノ電江ノ島駅にかけた歩道沿いには隙間なく夜店が立ち並び、身動きが取れないようにもなります。12日夜6時と13日午前0時の大法要には堂内で、参詣者に沢山の牡丹餅が撒かれます。これは、日蓮聖人が龍の口へ連行される途次、鎌倉の桟敷尼が鍋蓋に胡麻牡丹餅をのせて供養したとの故事にちなんだものとのことです。
今年は若干天候が危ぶまれたのですが、それに伴ってすっかり秋らしい涼しさの中での営みとなりました。
<説明>
○龍口寺の山号は寂光山(じゃくこうさん)とのこと。
○縁起~この地はかつて刑場跡で日蓮宗の開祖日蓮も文永8年(1271年)
9月12日に日蓮聖人が処刑されそうになったので、この事件を
日蓮宗では龍ノ口法難と呼ぶとのこと。
(お話では、日蓮上人が斬首される直前に、「江ノ島方より月の
如く光たる物、まりのやうにて辰巳の方より戌亥の方へ光り
渡」ったために、それを大神変として、執行人たちは日蓮聖人
の処刑を止めた、とか・・・。)
その後延元2年(建武4年、1337年)に日蓮の弟子、日法が
この地を「龍ノ口法難霊蹟」として敷皮堂という堂を建立し、
自作の祖師像(日蓮像)と首敷皮を置いたのが龍口寺の始まりと
伝わり、本格的な寺としての格式を整えたのは津村の国人で
日蓮宗の信奉篤い島村采女が慶長6年(1601年)に土地を寄進
して以来の事とされているとのこと。
(おまけ~毎月第3日曜日には、「龍ノ口法難霊蹟」で骨董市が
開かれています。)
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